【IOSファクトリー】 Sシステム (シマノ用)*SDSY

【IOSファクトリー】 Sシステム (シマノ用)*SDSY

販売価格: 5,000円(税別)

(税込: 5,500円)

数量:

商品詳細



スムースなシマノリールのドラグ特性はそのままに、タメの効いたフッキングを可能にするドラグユニット・カスタムパーツが、IOS S-systemです。

アルミ一体マシンカットハウジングがもたらす、精度の高いスプール回転、スプールを面圧の不安定な樹脂カラーでなく、高精度ベアリングで受けるというコンセプトは、ドラグフェルトの面圧を常に一定に保ち、ドラグ作動の安定性を高めるとともに、ドラグ特性にタメを強化、ドラグの出をテンションに応じてリニアに必要最小限にすることが可能。

スムースなだけでは獲れなかった、ストラクチャー周りの魚やロングキャスト時のフッキング、そして、太軸フックでのパワーゲームに進化を発揮します。
ドラグの音色もリファインして、ドラグ性能を損なわない程度にピッチを細かく刻み、より精密機器らしい高音、質感で存在感のある音色にファインチューン。
さらには、スプールのテーパー巻きムラ対策に調整シムを付属し、様々なリールに対応致します。

装着例






│御注意

シマノ製4000番台以上のリールについて、アームカム(ラインローラーアーム)にラインが干渉し適合しないものがあります。
お客様には大変御迷惑をお掛け致して申し訳ございません。
詳細適合及び不具合発生の場合は御連絡下さい。迅速に対応させて頂きます。
但し、シマノ5000番台以上はサポート対象外とさせて頂きます。

│同梱品
S-system本体、専用ステンレス性ベアリング、取り付け工具
各種調整シム、専用固定リング、取り付け説明書(パッケージ記載)


│御注意
・Ssystemはスプール逆転出来ません。
シマノ従来のリジットサポートシステムと一部併用しているため、本来逆転する設計になっておりませんので、無理な逆転はシステム本体の磨耗を早めますのでご注意ください。

・お求めの際には、必ずリールにあったものを装着ください。
サイズがあわないと、性能を発揮しないばかりか、最悪の場合装着ができない恐れがあります。


│S-システムの取付方法

・準備
S-system装着によるラインの巻きムラを軽減するため、スプールとローターの位置を覚えて、S-system装着後の確認までローターを回転しないようリールを保持しておく。


1 リール本体からスプールを外します。



2 純正のスプール受けを固定してある、6角ボルトのセットスクリューを、付属の6角ドライバーで外し、メインシャフトのみとします。



3 S-systemを本体、ベアリング、ワッシャ(2.0/1.0/0.5/0.3)mm、0リングと分解します。



4 S-systemの本体のみを、再度メインシャフトに差し込み、専用工具にて、セットスクリューの6角ボルトを差し込み、シャフトにしっかり固定します。



5 任意で、標準の1mmのワッシャをセットします。
  厳密な巻き上がり調整は、S-system装着後のスプールにて、ワッシャの増減で行ってください。



6 ベアリングの外輪の大きいほうを下にして、セットします。



7 ベアリングをセットした上から、0リングをセットします。



8 再度スプールをメインシャフトにセットして、ドラグノブを軽くしまるまで締め込み、スプールを固定します。



9  ラインの巻きムラを確認、逆テーパーや準テーパーの度合いに応じて、付属の調整ワッシャで微調整を行います。



│S-system 日頃のメンテナンスについて

1 用意するもの
IOS-02、IOSギアグリス


2 S-Systemのベアリングへ、IOS-02オイルを塗布する。


3 歯ブラシなどにギアグリスを薄く取ります。


4 S-System本体にまんべんなく塗布します。
特に、スプライン部と裏側には念入りに。


5 ソルトでの使用の後の水洗い時も、必ずS-System本体をかけ流し、洗浄実施したのち乾燥後に、同様のメンテナンスを実施ください。


│ドラグ音のカスタマイズ調整について

※通常は調整必要ありません。

通常は、S-システムを装着した状態では、ドラグ音は心地良い音色に調整されていますが、下記の手順で、お好みでドラグ音の強弱も調整出来ます。

・準備
スプールを外して、ステラ等、裏のカバーがあるものはあらかじめ外しておきます。



1 ドラグ音を小さくしたい場合

付属のドライバーで、バネをピックアップします。
プライヤー等で、バネを下側へ曲げます。
再度、バネを元の位置へとセットし、ドラグ音が小さくなっていることを確認します。





2 ドラグ音を大きくしたい場合

付属のドライバーで、バネをピックアップします。
プライヤー等で、バネを上側へ曲げます。
再度、バネを元の位置へとセットし、ドラグ音が大きくなっていることを確認します。




◎開発者コラム

「シマノ SーSystem 」

ステラのドラグと言えば、泣く子も黙る、言わずとしれた世界最高峰のドラグであり、そんなドラグをどうやって味付けするのか、という声もメンバー内に多数あった。

選択肢は二つ、今まで以上にスムースなドラグにするか、もしくは、ドラグ特性を全く変えてよりIOSらしさを出すか?

経験上、私自身、スムースなんだけどもう少しタメが効いたらなあー、と思うことが確かに多々あった。
特に、ストラクチャーの近辺でヒットさせると、走られて根に巻かれて、ラインブレイクという経験もした。
結局は、ズルズルのドラグより、思いっきりタメを効かせつつも、出る時は必要最小限に出るドラグもありじゃないか、ということになり、軽い気持ちで純正のユニットをあれこれといじり始めた。

しかし、どうにもこうにも、トラグが滑り出すとスプールの回転が安定せずに、部分的にひっかかる、それとドラグ音ももう少しなんとかならないか、という声もあった。
理論的には、アルミのワンピースボティで、剛性感をモリモリ出せば、スプールの面圧も安定し、ドラグの作動も精度がでるのではないかと考えた。
ネックは、あのスプライン、歯車のような精密のギザギザの波面は、膨大なコストがかかる。
現状では、ドラグ性能にたいして不満もなかったし、他の製品開発にともなう多くの案件を処理している間に、いつのまにか、SーSystemのプロジェクトは立ち消えになって、思うように進まなかったSーSystem。

きっかけは、ある歯車屋へ出かけた時だ。
そこは、ラジコン界の世界チャンピオンが、使用するラジコン用のギアを開発、製造しているメーカーで、この歯車を使えば、ドラグの音もよくなるんじゃないかと思った。
早速、メーカーは何パターンかのプロトを送ってきた。

アルミのマシンカットハウジング、スプールはより、剛性が増して回転は申し分ない。
さて、ドラグ特性はどうか?これが、ダメダメなドラグ特性になっていた。
初期こそタメがあるものの、スプールが滑り出したら、一気に加速するように回転してしまう。
これでは釣りどころではない、ベアリングの選定からワッシャのサイズ変更、メインユニットは毎日、毎日仕様変更をして検証作業の連続。
ドラグフェルトも2箇所に設置したり、ひっかかるのはしろくまグリスが悪いんじゃないか、とも思った

こういう作業をしていると、ダイワのツイストバスター同様に、いかにメーカーの開発したものが素晴らしいかを、身を持って知る。
まったく利にかなっているとしか思えない完成度の高さ、まるで、大きな巨人に小さなアリンコが立ち向かうようなものである。
当然と言えば当然、文字通り、いつも通りの暗中模索が続いた。


一つのことに夢中になっていると、周りが見えなくなるとは良く言ったもので、私自身も、気持ちの焦りもあって、今度こそダメなんじゃないかとも思った。
でも、頭を冷やして、少し冷静になって考えてみた。
ダメ元で、DSystemと同じ理論でやってみたらどうかな、と思った。
感触は上々、少しは希望が見えてきた。

早速、現場で実釣をした。
一人でニヤニした。
軽いフリップでしっかりフッキング出来て、魚が走れば、必要最小限にスムースに、かつリニアにドラグが出る。
このドラグが出過ぎないのが、いかにもIOSらしい。
しかし、スムースなドラグが好きなユーザーからしたら、きっと、クレームは間違いなく、カラオケ採点機で、純正のドラグがドラグ理想の100点満点だとすれば、おそらくSーSystemは50点以下だろう。

しかし、ミユージシャンで言えば、忌野清志郎のように、飾らないけど、一度聞いたら強烈に魂を揺さぶるインパクトがある。
綺麗に上手く歌うのが歌じゃないんだ、と言わんばかりの圧倒的な存在感。
釣りは機械じゃない、人間がするものだし生き物が相手だ。
今まで獲れない魚が、SーSystemで獲れるとしたら、このドラグを使う意味はあるんじゃないか、と思った。

さて、プロトのSーSystemを使いづけていると、モニターから、なんとなく感度上がっていますという声を聞いた。
まさかー、と思って比べてみると、確かにルアーの動きが、より明確に伝わる気がした。
なぜだろう、と思った。
水中からのー唯一の情報伝達はラインであり、ラインの振動を、如何に劣化させずに手元に伝えることは、感度向上につながると思っていた。
それはロッドしかり、ガイドしかりであるが同条件唯一違うのは、今回のSーSystemのみ、メインシャフトにがっちりと固定されたアルミハウジングには、さらに、スプールががっちりと収まる、ラインの振動はスプールにも共鳴し、結果、メインシャフトを通して、リールボディやハンドルにも伝わると考えた。
まさか、リトリーブ感度まで上がるとは思っていなかったが、DSystemを使用するユーザーからも、時々そのような声を聞いてたので、大変興味深いメリットだと思った。


知り合いのユーザーから、もう売ってくださいよー、という熱烈の要望もあるにはあった。
しかし、正直もっとも拘って、もしかしたらドラグ性能以上に手間どったのが、ドラグ音である。

プロトのSーSystemは、性能こそ満足出来るものになったが、音がゲロゲロしたカエルのような濁った音である。
釣りは、性能が一番という人もいるが、反面、ドラグ音が心地よいのが好きという人もいる。
そして、性能よりドラグ音だ、と言い切る人までいることが判った。

その典型が爆音ドラグである、バリバリとけたたましい音が好きだから、シマノじゃなくてダイワにするという人もいるのである。
それだけ、音の付加価値は大きいと考えていた。
正直、この音というのを軽くみていた、音が心地よくならないのである。

興味深いことに、多くのユーザーに、特定の音を聞かせると、ある特定の音が大多数人気が高かった。
それは、軽やかにドラグのピッチが細かでありながら、やや高めの音程で、余韻が自転車のベルのように引きずらない音だと判った。

アルミは、元々素材が柔らかく、響きが悪くこもるような音になってしまう。
それを、ハウジング本体をベルのようにくり抜いて、共鳴するように設計し直した。
ギザギザのスプラインもよせばいいのに、機能美とか言って、スリットをどうしても入れたかった、まるで京都の格子戸を思わせる佇まいである。
相変わらずの脱線の連続で、音の音色が度々変わって、開発の頭を悩ませた。

ただし、アルミよるスプラインの耐久性は、14,000/minの高速ルーターで、1分間の耐久テストをクリア。
通常のドラグの回転域では問題ないレベルであり、むしろ使い込むことで、金属同士が馴染むのか、音に心地よい味が出ることも分かった。



ドラグの音である、色々と試行錯誤をしてみると、純正の音は、理にかなった音だとたどり着く。
スプラインのピッチの数を多くして目を細かくすると、チリチリ・・・というよりビーという濁った音になることも分かった。
純正の粗めのスプラインは、きっちりとラチエットを叩く作用があるし、スプールの回転抵抗も限りなく軽減している、よくできたドラグである。

IOSも、ぼんやりだが理想の音が見えてきた。
それは、ピッチが細かめ、音程は高め、音量は大きくもなく小さくもない存在感のあるステラらしい音、そして軽やかな余韻を残すという、極めて抽象的なイメージであるが、たしかに、そのような音を聞くと、理屈抜きで心地よい。

わかってはいても、アルミでは限界があるかなと、材質も真鍮にしたり、ステンレスにもしたが重すぎてNG。
当初のアルミでいくことにした。
そして、半ばやけくそ気味にア、ルミのハウジングのボディ肉厚を、強度限界の0.5mmまで削りこんだ。
こうすることで、アルミのユニットが、あたかもベルのように共鳴して響きわたることを期待した。
結果は上々、バンキッシュまでも、今まで聞いたことのないような、心地よい音色に変化していた。

今となっては、メンバー共々、心地よい音色に酔いしれている。
リール対象は、1000番?2500、C3000番クラスまで考えており、管理釣り場からバス、そしてライトソルトからシーバスなど。
リールは、10ステラ以降のステラシリーズ、新旧バンキッシュシリーズ、NEWツインパワー等。
一度使ったら病みつきになる、S-Systemである。