【バスフィッシングにおける大きいハンドルノブのメリットとは?】
バスフィッシングでは、ロッドやリール、ライン、ルアーなどさまざまなタックル選びが釣果を左右します。
その中でも「リールのハンドルノブ」は意外と見落とされがちですが、釣りのスタイルを突き詰める場合や、キャッチ率を上げるのに大きく影響する重要なパーツの一つです。
特に、近年注目されているのがDRTのVARIAL(バリアル)に代表される「ビッグハンドルノブ」です。
もちろん、メーカーの純正パーツでも十分釣りは可能ですが、あえて大きいのノブにカスタマイズすることで、多くのメリットを得ることができます。
今回は、「ビッグハンドルノブ」の利点を詳しく解説し、どのようなシチュエーションで効果を発揮するのかを解説していきたいと思います。
◆デカパワーハンドルノブの必要性
純正のノブではなく、なぜ大きくある必要があるのでしょうか。
世の中にビッグノブがあるということは、一定の需要がある証拠。
そこで、ビッグノブの必要性を下に書き出してみました。
★大きさによりグリップ力が向上する
★力が分散され疲れにくい
★握り込めるからこそフッキングが安定性する
それでは順番になぜビッグハンドルノブが必要なのか見ていきましょう。
★グリップ力の向上:滑りにくく確実な巻き上げが可能に★
まず、大きいハンドルノブを採用することで得られる最大のメリットは、グリップ力の向上です。
純正の小さいノブでは、指先でつまむようにして巻くことが多く、手が滑りやすい状況ではしっかりと力を伝えられません。
特に、雨の中での釣りはグリップ力が低く、指が滑ってしまい安定して巻き取ることが難しいシーンがあります。
また、夏場の汗ばむ手も同様です。大きなノブは汗でノブが滑ることを防ぎ、安定した巻き上げが可能になります。
そして、冬場の手袋着用時も純正の小さなノブでは指先の感覚が鈍り操作しづらくなるのに比べ、大きなノブならしっかり握り込むことが可能になります。
大きめのハンドルノブは手全体を使ってしっかりとホールドできるため、滑りにくく、巻き上げ時の安定感が向上します。
★疲れにくく長時間の釣りが楽に★
バスフィッシングでは、クランキングやデッドスロー系などで、一日中リールを巻き続けることも珍しくありません。
安定した巻きを維持するためには、疲れにくいタックルで臨むことが非常に重要なのです。
通常の小さなハンドルノブを長時間使用していると、指先や手首に負担がかかり、疲れが蓄積しやすくなります。
しかし、大きいハンドルノブであれば、手のひら全体を使ってノブを握ることができるため、指先だけに負担がかからず、疲労を大幅に軽減できるのです。
特に、下記のような釣り方には効果的です。
●クランクベイト・スピナーベイト等を巻き続ける釣り
●ディープクランキングやビッグクランキングなど、巻き抵抗や負荷の大きい釣り
疲れにくいタックルを選ぶことは、集中力の維持にもつながるため、釣果にも直結するでしょう。
★フッキングの安定性が向上、キャッチ率UPの効果も★
最後に、フッキング率が向上する点も見逃せません。
通常、小さなハンドルノブでは、バイト時に瞬時にしっかり握ることが難しく、フッキングがワンテンポ遅れることがあります。
しかし、大きいノブであれば、ノールックでもしっかりと握り込めるため、フッキングのタイミングを逃しにくくなります。
特に、下記のような釣りでは大きなアドバンテージがあります。
●フロッグゲーム(カバーでのバイトが多い)
●テキサスリグやジグ系など、しっかり貫通させるフッキングが必要な釣り
バイトの瞬間に素早くノブを掴み、確実にフックを貫通させることで、キャッチ率UPが期待できるでしょう。
大きいハンドルノブはバスフィッシングにおいての快適性と釣果向上に役立ちます。
◆スタイル別ビッグノブの使い分け
大きいハンドルノブを使うことで、物理的に巻き上げ時のパワーを向上させることが可能です。
これは、単純に握る面積が増え、手の力をより効率的に伝えやすくなるからです。
とはいえ、ベイトフィネス機にビッグノブを装着するわけにはいきませんよね。
それではどんなスタイルに合うのか、その代表的なものをご紹介します。
★ビッグベイティング★
ビッグベイトやスイムベイトなど、体積の大きなルアーは引き抵抗が大きく、通常のハンドルノブではリーリングアクションがぎこちなくなる時があります。
大きいノブならより少ない力でスムーズに巻くことが可能で、フッキング後もエラ洗いさせるスキを与えず一気に引き寄せることができます。
★カバー打ち★
次に、ビッグノブが活躍する釣りはカバーから引き離す打ちの釣りです。
特に、ウィードやレイダウン(倒木)に潜り込んだバスを引き出すには、より強い力で巻き上げる必要があります。
大きいノブなら安定した力をかけられ、バスを引き寄せやすくなります。
パワーゲーマーにとって、大きいハンドルノブは間違いなくアドバンテージとなるでしょう。
★バマスト・ジグスト★
続いてビッグノブが必要になってくる釣りがいわゆるスト系の釣りです。
細やかなシェイキングをしながら一定のスピードでリトリーブし続けるには、物理的に大きなノブがとても役立ちます。
小さいノブだと絶えずシェイクしているハンドルをつかみ損ねて手が滑ったり、指がハンドルから外れてリズムが狂ったりすることがあります。
この釣りはバスがルアーを追い込みきる前に一定のリズムが崩れると違和感を感じて見切ってしまうことも少なくないので、大きなノブは必須アイテムといっても過言ではありません。
★デッドスロー系★
バスフィッシングでは前述の通り、リトリーブ(巻き取り)の速度やリズムが釣果を左右することが多々あります。
そのため、巻きスピードを細かくコントロールすることが求められますが、大きいハンドルノブはこの点でも優れたメリットを持っています。
例えば、次のような状況でも有効です。
●スローリトリーブが求められる釣り(真冬のデッドスロー系)
●ストップ&ゴーなどの緩急の激しい不規則な巻きを多用する釣り
そして大きなノブは手の動きを繊細にリールに伝えられるため、ルアーのアクションをより自然に演出することができます。
さて、デカノブに合う釣りをスタイル別にご紹介しましたが、同じノブと言えど、様々な形状と素材が流通しています。
「どれが自分に合っているか分からない」という方の為に、次は形状と素材別にみてみましょう。
同じ形のハンドルノブでも形状・素材によってさまざまな特性が出てきます。
◆デカノブパワーハンドルの種類
まずは形状です。
デカハンドルノブの形状には次のような種類があります。
★I字・スリム・ロングタイプ
★バルキータイプ
★バリアルタイプ
小さなノブだと更に沢山種類があるのですが、大きいノブで代表的な形状だとこのくらいでしょうか。
★I字・スリム・ロングタイプ★
このノブは比較的パワーの中にもある程度繊細さが求められる釣りに適していると言えます。
指先で軽くつまむような形でゆるく持つと太いノブでは見逃してしまいそうなリーリング時のボトムタッチ感度を強く感じることができます。
アブ ワークスのTFL110ハンドルやMC SquaredのTATARA、AVAILのスリムタイプあたりがこれにあたります。
★バルキータイプ★
カバーの奥にねじ込んだシングルフックをしっかりフッキングしたい。
クランキングやヘビースピナーベイト・ロングビルミノーのポンピング・ビッグスプーンやメタルのリフトフォールに最適なのがバルキータイプです。
ハンドルノブが大きいと握っている力が分散されて、とても力強いアクションが負担少なく展開できます。
AVAILのAタイプ、LIVREのPT、MC SquaredのTATARA FATALEがバルキータイプに該当します。
★バリアルタイプ★
そしてビッグノブの金字塔といえるほど、デカノブで有名なのがDRTのVARIALノブです。
琵琶湖のハマ軍団は必ずと言っていいほどアンタレスDCにこのVARIALノブが装着されています。
特徴としてはデカさを感じさせない繊細さを持つ反面、しっかり握り込める独特の形状です。
ただ、注意点としてはメーカーによって若干形状が異なるので可能であれば現物を握ってみるのが一番です。
DRTのVARIAL、MC Squaredの樹、AVAILのRタイプ、LIVREのFFなどが同族形状になります。
そして忘れてはいけないのがその素材です。
各メーカーが凌ぎを削り様々な素材のハンドルノブが流通しています。
ことデカノブに関しては次の4タイプが代表的です。
★EVAタイプ
★カーボンタイプ
★金属タイプ
★木タイプ
それではそれぞれの特性を見ていきましょう。
★EVAタイプ★
ハンドルノブの代表的素材と言っても過言ではないのがEVA素材です。
通常ロッドのグリップ部分に使用されることが多く、そのグリップ性能・軽さ・コストパフォーマンスが高いのが魅力です。
EVAにも良し悪しがあるので一概には言えないですが、経年劣化は他素材に比べ早いというデメリットもあります。
★カーボンタイプ★
カーボン素材のデカノブでいうと、スタジオコンポジットのRCシリーズあたりが有名ですが、そのメリットは何といってもその硬さと軽さそして見た目のカッコよさが抜群です。
やはりカスタムパーツというものは機能性だけでなく、装着したときのグレードアップ感も大切です。
もちろん見た目だけではなく、その硬さゆえの感度の良さも特徴的です。
★金属タイプ★
金属ノブといえばLIVREが代表的ですが、その良さはやはり金属が故の感度の高さでしょう。
特にLIVREのノブは中が空洞になっているので、振動が反響しやすく微細な変化も感じ取ることができます。
そしてその強度もやはり金属、とても丈夫です。
金属の難点は、冬の釣りではグローブを着けないと触れないほどキンキンに冷たくなること、そして雨やハンドルが濡れると、他素材に比べとても滑りやすくなります。
★木タイプ★
そして最後は木素材です。
端的に言うと、値段以外は最高です。
木製ノブは多くのメーカーが硬く、軽量の素材を使用していますし、外的温度の影響を受けにくいです。
コルク素材同様、手に馴染む天然素材でコスメ的に見てもいう事無しです。
デメリットは、職人が天然素材を加工するので、値段が群を抜いて高いです。
◆デカノブのデメリット
様々な点でメリットの多いデカノブですが、大きいがゆえ、副作用もあります。
代表的なデメリットは下記かと思います。
★クラッチ返り
★バランス
★ハンドル長との相性
さて、デメリットもしっかり押さえておきましょう。
★クラッチ返り★
クラッチ返りとは一度切ったクラッチが、キャスト時にロッドを振りぬいた瞬間、戻ってしまう現象です。
特に重いバルキータイプのハンドルノブで起こりやすいのですが、大きなハンドルノブを着けているとロッドを振りぬいた瞬間、ノブの重みでクラッチが戻ってしまうことがしばしばあります。
クラッチ返りはラインのタカ切れを招くだけでなく、メインギヤとピニオンまでをも傷つけてしまう可能性があり、仮にギアを傷つけた場合リーリングするとゴリゴリと変な違和感が手に伝わってしまい集中力がもちません。
もしそうなった場合はパーツを取り寄せて大手術というケースも考えられますので、大きいノブのリールでは毎投注意が必要です。
★バランス★
こちらもノブの重量が関係してくるのですが、あまりにも重い大きいノブだと、ロッドを構えたとき、ハンドル側に重みで倒れてしまうときがあります。
数投なら特に問題は無いのですが、一日中続くと腱鞘炎のような疲労による痛みが出るので、重いハンドルと装着するリールの相性はとても重要です。
★ハンドル長との相性★
そして、デカいハンドルノブはデカければデカいほど、取り付けるハンドルは長くなくてはなりません。
例えば、80㎜長のハンドルにバルキー系のノブを付けると、リーリング時手が当たってしまい快適な釣りができません。
ハンドルノブはハンドル本体やリールとの相性もとても重要でサイズだけでなく、バランスもとても重要なんです。
さて今回はデカいカスタムノブに絞って解説しましたが何となくそれぞれの特性はご理解頂けたでしょうか。
色々あるカスタマイズでも比較的手軽にカスタマイズできるのがハンドルノブの交換です。
ネジを外しベアリングを付け替えるだけのいわゆるポン付けで完了できるので皆さんも是非チャレンジしてみてください。
大きさのメリットを最大限活かせられれば、より快適にバスフィッシングを楽しみながら、釣果アップも狙えるでしょう。
あなたもぜひ、ハンドルノブのカスタムを検討してみてはいかがでしょうか?
筆者紹介
◆バスキエ◆
YOUTUBEバスフィッシング専門チャンネル【バスフィッシング消費者の部屋】の配信者。
バスフィッシング歴30年で培った経験と、知識をもとに、新製品情報・ポイント紹介・タックルインプレッション・実釣動画までバスフィッシングに関する情報を配信しています。
https://www.youtube.com/channel/UCrRXJwr6Mq5BGTdBGO-KFfA