【ダイワ】24セルテート[CERTATE]シリーズ スペック一覧表
品番 | 標準 自重 (g) |
巻き取り長さ (cm/ ハンドル 1回転) |
ギア比 | 標準巻糸量 ナイロン (lb-m) |
標準巻糸量 PE (号ーm) |
FC LT2000S-P |
170 | 64 | 4.9 | 3-150 | 0.4-200 |
FC LT2000S-H |
170 | 76 | 5.8 | 3-150 | 0.4-200 |
FC LT2500S |
175 | 72 | 5.1 | 4-150 | 0.6-200 |
FC LT2500S-XH |
175 | 87 | 6.2 | 4-150 | 0.6-200 |
FC LT2500S-DH |
185 | 72 | 5.1 | 4-150 | 0.6-200 |
LT2500 | 200 | 73 | 5.2 | 6-150 | 0.8-200 |
LT2500-H | 200 | 80 | 5.7 | 6-150 | 0.8-200 |
LT3000-CH | 205 | 85 | 5.7 | 8-150 | 1-200 |
LT3000 | 225 | 77 | 5.2 | 8-150 | 1-200 |
LT3000-XH | 225 | 93 | 6.2 | 8-150 | 1-200 |
LT4000-C | 235 | 82 | 5.2 | 12-150 | 1.5-200 |
LT4000-CXH | 235 | 99 | 6.2 | 12-150 | 1.5-200 |
LT5000D-CXH | 245 | 105 | 6.2 | 25-150 | 2.5-300 |
LT5000D | 290 | 87 | 5.2 | 25-150 | 2.5-300 |
LT5000D-XH | 290 | 105 | 6.2 | 25-150 | 2.5-300 |
品番 | ハンドル アーム長 (mm) |
ベアリング BB/ローラー |
最大 ドラグ力 (kg) |
ハンドル ノブ仕様 |
ボディ構成 | メーカー 希望本体 価格 (円) |
JAN |
FC LT2000S-P |
40 | 10/1 | 5 | HG-I | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
54,600 | 4550133306549 |
FC LT2000S-H |
45 | 10/1 | 5 | HG-I | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
54,600 | 4550133306556 |
FC LT2500S |
50 | 10/1 | 5 | HG-I | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
55,600 | 4550133306563 |
FC LT2500S-XH |
50 | 10/1 | 5 | HG-I | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
55,600 | 4550133306570 |
FC LT2500S-DH |
90 | 12/1 | 5 | HG-I | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
57,600 | 4550133306587 |
LT2500 | 50 | 10/1 | 10 | HG-T | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
55,600 | 4550133306594 |
LT2500-H | 55 | 10/1 | 10 | HG-T | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
55,600 | 4550133306600 |
LT3000-CH | 55 | 10/1 | 10 | HG-T | フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
56,600 | 4550133306617 |
LT3000 | 60 | 10/1 | 10 | HG-T ラージ |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
57,600 | 4550133306624 |
LT3000-XH | 60 | 10/1 | 10 | HG-T ラージ |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
57,600 | 4550133306631 |
LT4000-C | 60 | 10/1 | 12 | HG-T ラージ |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
58,600 | 4550133306648 |
LT4000-CXH | 60 | 10/1 | 12 | HG-T ラージ |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
58,600 | 4550133306655 |
LT5000D-CXH | 60 | 10/1 | 12 | EVA ラウンド ライト |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
60,600 | 4550133306662 |
LT5000D | 65 | 10/1 | 12 | EVA ラウンド ライト |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
61,600 | 4550133306679 |
LT5000D-XH | 65 | 10/1 | 12 | EVA ラウンド ライト |
フルメタル (AL製) モノコック ボディ |
61,600 | 4550133306686 |
※巻糸量は目安であり、メーカー・アイテム・テンションにより異なります。
※巻き取り長さはハンドル1回転あたりの長さです。
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ゆるぎない信頼を。感性と共鳴する歓びを。
いつまでも愛着を持って使い込んでもらえるようなスピニングリールを創りたい。
特定の誰かのためではなく、すべてのアングラーのために――。
そのために目指したのは、使い手を選ばない快適な操作性、不安を感じさせない確かな剛性。
CERTATEに込められた、その理念は20年の時を経た今も、何ひとつ変わることはない。
NEW CERTATEに搭載された、次世代スピニングリールの設計思想「エアドライブデザイン」は、快適な操作性を求め続けた、CERTATEのひとつの到達点。
釣り人が求める、意のままにルアーを操作することを目指した設計思想で、最大4つのテクノロジーで構成される。
このエアドライブデザインをフル装備することで得られる恩恵は、あまりにも大きい。
最適な重量バランスからなる軽やかな操作性。
タックルとの一体感を得られる軽快な回転フィール。
わずかな魚のアタリや流れの変化も感じられる巻き感度。
ライントラブルの大幅な低頻度化。
それは、現代のアングラーに向けたCERTATEの明快な答え。
新型ドラグのATD TYPE-Lは、ラインへの負担を軽減し、ハイレスポンスでスムーズな滑り出しによる安心で心地よいファイトを約束してくれる。
この操作性は、確かな剛性なくしては得られない。
だからこそCERTATEは、一貫して剛性にこだわり続けてきた。
その象徴ともいえるのが、アルミ素材による一体成型構造の「モノコックボディ」。
従来構造のスピニングリールで弱点だった、高負荷時のボディのたわみを極力抑え、強い巻き上げパワーを実現するダイワ独自のテクノロジー。そこにねじ込まれるエンジンプレートもまた、アルミ製。
つまり、アルミ製のフルメタルボディによって、心臓部である内部構造は、がっしりとサポートされている。
その内部に組み込まれるドライブギアには、硬度を高める特殊表面処理を施し、高負荷時のギアへのダメージを軽減。
その動力をフロントユニットに伝えるメインシャフトには、アルミよりもさらに剛性の高いSUSを採用することで、パワーロスすることなく、パフォーマンスを最大限に発揮する。
確かな剛性と快適な操作性。
この一貫した質実剛健こそ、積み重ねた信頼の証。
正統進化を果たした20年目のNEW CERTATE、新時代のスタンダード・スピニングリールを、すべてのアングラーに。
24CERTATEへのエアドライブデザイン搭載は、その歴史を振り返れば必然だ。
フロントユニットの軽量化かつ、低慣性化による高い操作性と高感度。
さらに重量バランスやトラブルレス性能の向上は、20年前の初代CERTATEに課せられた「快適な操作性」の革新的な正統進化に他ならない。
AIRDRIVE
DESIGN
回す、止める、意のままに。
エアドライブデザイン。
巻き出しが軽く、ハイレスポンスな回転を生み出す革新のテクノロジー。
ダイワスピニングリールの新しい未来が、今、回り始める。
エアドライブデザインは、釣り人が求める、意のままにルアーを操作することを追求した次世代スピニングリールの設計思想。
それはスピニングリールのフロントユニットに関わる4つの要素から構成される。
巻き出しが軽く、ハイレスポンスな回転を生み出す、エアドライブローターの搭載を必要条件とし、それを下支えする軽量でトラブルレスなエアドライブベール、綿密な強度設計のもと、軽量化を突き詰めたエアドライブスプール、回転ノイズの極めて少ない、軽くて滑らかな巻き上げを可能にしたエアドライブシャフト。これらの相乗効果で、高次元の操作性を実現する。
まずはリーリング性能。
軽い力で滑らかに回り出し、止めたいところでピタッと止められる。
すなわち、ルアーを正確に操作できる。
回し続けたときの疲労感も小さい。
そして、感度。
軽い力で回るということは、水中のほんの少しの抵抗でも回転に変化が生まれる。
ハンドルを巻く手には、それがより鮮明に伝わる。
これらはフロントユニットの軽量化で巻き出しが軽くなったことと、リトリーブ動作に回転慣性が加わりづらくなったことによる恩恵だ。
同時にフロントユニットの軽量化は、持ち重りの改善にも寄与し、ロッドの操作性を向上させた。
ロッド装着時に頭下がりになれば、自ずとグリップを握る手に余分な力が入り、僅かなブレとなって竿先に現れるが、その心配がない。
エアドライブデザインは、自在なロッドアクションや高精度なキャスタビリティも可能にするのだ。
ダイワスピニングリールの新しい未来を、ぜひ体感してほしい。
重量バランスの向上
フロントユニットを軽量化したことにより、ロッド装着時に頭下がりにならない、持ち重りを軽減した重量バランスを実現。
ライン放出や巻き取りもよりスムーズになり、ロッドとリールの一体感を存分に味わえることだろう。
AIRDRIVE ROTOR(ZAION製)「低慣性を追求する理由」
スッと巻けて、ピタッと止められる。
自らの思い描くタイミングでリールのハンドルを巻く、止める。
球体ローターの低慣性化による、かつてない軽い巻き心地が、操作性と巻き感度の飛躍的な向上を果たした。
エアドライブローターは、ルアーフィッシングシーンを一変させる。
リールのハンドルを勢いよく回して手を離すと、しばらくローターが回転し、そして止まる。
このとき、長く回転し続けるほど良いリールと思っていたら、それは大きな誤解だ。
回転し続けるのはローターが重く、慣性が大きく働くためにほかならない。
小型スピニングリールにおいては、その大きな慣性がアングラーにさまざまな不利益をもたらすことになる。それは、どういうことか。
ローターが重ければ重いほど、回すときに大きな力が必要になる。
一度回りはじめると、今度は止めるときにも大きな力が必要になる。
結果として、ハンドルの巻きはじめと止めるときのタイミングに遅れが生じる。
その結果、キャストしたルアーの初動が遅れたり、思った通りにアクションさせられなかったりすることになるのだ。
不利益はそれだけではない。
ローターが重く、慣性が大きいと、巻き感度が損なわれる。
リールのハンドルは、自分の力だけで巻いているわけではなく、実際にはローターが回転しつづけようとする慣性の力が加わっている。
ローターが重ければ重いほど、その力は大きくなり、その分、巻く手が感じるはずだった巻き抵抗の変化が、感じにくくなってしまうのだ。
つまり、魚のアタリが取りづらくなったり、水中の様子がわかりづらくなったりしてしまうということだ。
このような慣性の力による不利益を減らすために、ダイワは長年にわたって、スピニングリールのローターは軽くあるべきという信念を貫いてきた。
特に繊細な操作性や高い巻き感度が求められる小型スピニングリールにおいて、重いローターは、百害あって一利なしとも考えてきた。
もちろん軽いだけで弱ければ、ローターは本来の役目を果たすことができない。
たわんだり、ゆがんだりしては、スプールに均一にラインを巻き付けられない。
魚の強い引きに耐えうる強さも必要だ。
だからこそ、目指したのは「軽くて強い」という、相反する理想の両立だった。
試行錯誤の末にたどり着いたのは、球体だった。
軸(中心線)に対して対象で、完全なバランスを保っているため、回転体として最も理想的なカタチというのが、その理由だ。
なおかつ、球体は、地球上で最も外からの力に強い形状とされている。
1カ所にかかった力が集中せず、周囲に分散するためだ。
ローターとして必要十分の強さを保持すれば、有り余った強さは軽さへと転じることができる。
すべての理想は球体が叶えた。
回転体として極めて合理的で、必然的に強く軽い、エアドライブローターの誕生である。
高精度の剛性解析により、従来と同等の剛性を維持したまま、エアドライブローターは約16%もの軽量化を果たした。(※2500番比較)
それだけではない。
球体を目指したことにより、その副産物としてコンパクトな形状も手に入れた。
軸(中心線)の周りで回転する物体が近ければ近いほど、慣性は抑えられる。
エアドライブローターは、軽さと相まって、従来ローターよりも約16%の低慣性化を実現したのである。(※2500番比較)
ダイワが行き着いたエアドライブローターは、小型スピニングのローターに必須とされる低慣性を、最も合理的な球体によって革新的に進化させた。
それまでのローターは、内側から設計し、各パーツを取り付けながら、外側の形状で回転バランスを調整してきた。
この固定観念を捨て去り、まず外側の球体形状ありきで設計を突き詰めた。
球体を保ちながら内側でバランスや強度を調整していくという逆転の発想によって、これまでよりも飛躍的に「軽くて強い」理想の機能を持つローターを作り上げることができたのだ。
その機能性は、外観からも見て取れるだろう。
ビスのない美しい曲面は、ローターへの糸絡みを抑制する二次的効果ももたらせている。
強く、軽く、トラブルレス。そして、なによりもかつてない低慣性を実現したエアドライブローターは、高い操作性と巻き感度により、アングラーに多くのチャンスを与えてくれるはずだ。
ローターユニット重量比較
ローターユニット慣性比較
重量比較、慣性比較
2500番サイズで比較すると、24CERTATE搭載のエアドライブローターはローターユニットで約16%の軽量化に成功*1。
ダイワスピニングリール史上、未踏の領域へ突入したのである。
それとともに慣性力も最大約16%軽減*2。
操作性や回転性の大幅な向上も図られている。
*1軽量化の比較値はサイズにより異なります。
*2慣性力の算出値はサイズによって異なり、2500番で最大化。
強度シミュレーション
赤くなるほど負荷が集中していることを示す。
エアドライブローターの「軽くて強い」秘密は、綿密な高精度解析によって、負荷が集中するところは補強する一方、負荷の少ないところは肉抜きをすることで最適化を実現。
これにより、従来のローターと同等の剛性を維持しながら、軽量化に成功した。
回転体として理想の球体形状
中心軸から両ベールアームへと、左右対称に円弧を描いて伸びていく、球体から切り出したかのようなアーチデザインに注目していただきたい。
これによりバランスのいい、滑らかな回転が得られるのである。
AIRDRIVE BAIL「さらにトラブルレスへ」
積み上げた歴史に学び、さらにその先へ。
エアドライブローターとの共進化が果たした、さらなる軽量化とトラブルレス。
長年にわたり、多くのダイワのスピニングリールでは、ベールに中空パイプ構造が採用されてきた。
このベールは、ダイワのスピニングリールに搭載されているテクノロジーで、エアベールと名付けられている。
もちろん、中空パイプ構造であるのには理由がある。
中身の詰まった、いわゆる中実構造と比べると、明らかに軽量で、かつ曲げやねじれに対して強く設計できるからだ。
加えて、ベールとラインローラーを繋ぐラインスライダーも、ラインがスムーズに誘導され、トラブルレスな巻き出しを可能にする独自形状が採用されている。
そして、このエアベールの進化版がエアドライブベールである。
エアドライブデザインによって一新されたローターユニットのさらなる低慣性化のためには、ベールの軽量化は至上命題のひとつだった。
ダイワは、そこにメスを入れた。
必要強度を維持しながらも小径化かつ新構造化することで、ベール単体で約33%の軽量化を達成したのだ。
それだけではない。ラインがラインローラーへと、よりスムーズに移行できるよう、ベールの角度に傾斜セッティングを施すことで、ライントラブルのさらなる低頻度化も実現したのである。
エアドライブベールは、数十年にわたって積み重ねられてきた技術の結晶といえるだろう。
傾斜したセッティング
ベールにわずかながら傾斜角をつけることにより、現代のアングラーのラインセッティングに、ストレスをもたらさない糸拾い性能(糸がベールを伝ってラインローラーにオートマチックにセットされる性能)を実現。
ラインローラーへとよりスムーズに糸を導きやすくなった。
ベール径をφ2.4へ変更
ベールは、ラインローラー部を構造変更するとともに、ベール径をφ3からφ2.4へと小径化したことで、約33%の重量減(2500番比較)。
軽量性と必要強度をバランスよく満たす最適な径を導き出した。
AIRDRIVE SPOOL「未来を映す新デザイン」
スピニングリールを象徴するパーツのひとつ、スプール。
リールの「顔」としてそのデザイン性が求められる一方リールの重量バランスや回転性能も左右する重要パーツでもあるのだ。
スピニングリールの外観において、スプールは「顔」というべき、重要な存在だ。それゆえ、色彩や形状、質感を吟味し、そのリールにふさわしい世界観を、スプールに表現する必要がある。
それは作り手の独りよがりであってはならない。
使えば使うほどに愛着が増していく美しさでなければならない。
その美しさを表面的なもので終わらせないために、本質としての機能を磨き上げたのが、エアドライブスプールである。まず取り組んだのは、軽量化だ。
綿密な強度設計のもと、不要な肉を徹底的にそぎ落とした。
スプールの軽量化は、リールの自重そのものと同時に、フロントユニットの軽量化にもつながり、持ち重りも軽減される。また、ハンドル回転に連動して上下ストロークする際に、スプールの自重が軽ければ、動き出しも軽くなり、巻き始めの軽快さやレスポンスの向上にもつながる。
つまり、エアドライブデザインの設計思想を実現するうえで、スプールの軽量化は避けては通れない課題だったのである。
加えて、エアドライブスプールでは新開発のドラグ発音機構を搭載した。
スプール本体と別体構造にすることで軽量化を図るとともに、ドラグの動作を妨げにくい、摩擦抵抗の少ない構造に変更。
なおかつドラグ音そのものも感性に訴える音質にチューニングするなど、情緒的な価値も大切にした。
アングラーと心を通わせることができるリールであるために、ダイワが理想とする「機能」と「美」を追い求めたのが、このエアドライブスプールである。
※24CERTATE SWでは強度を重視し、エアドライブスプールは、あえて非採用としている。
細密な強度設計に基づく徹底的な薄肉化
綿密な強度設計に基づき、徹底的に薄肉化することで、強度を維持したまま、軽量化を実現。さらに、従来のスプールでは一体形成だったドラグ発音機構を、エアドライブスプールでは独自素材を用いた別体構造にすることで、さらに軽量化を突き詰めた。
ドラグ発音機構断面イメージ図
ドラグ音は、ラインが引き出されスプールが回転する際に、金属製の突起がドラグ発音用の溝と接触して発生する。
この溝を非対称形にすることで、ラインが引き出される回転方向のみ摩擦を小さくし、心地よいドラグ音を発しながらドラグがより滑らかに動作するようにした。
AIRDRIVE SHAFT「込めた力をそのままローターへ」
ハンドルを巻く手に込めた力を、そしてアングラーの想いを、いささかも無駄にせずラインの先の先まで伝えるために。
エアドライブシャフトはリールの内部で静かに、滑らかに動き続ける。
スピニングリールの場合、ハンドルを回す縦の回転は、ローターの横回転へと変換される。
これを担うのがピニオンだ。
同時にラインをスプールに均等に巻き取るために、スプールは上下動する。
これを司るのはピニオン内を貫くようにセットされるメインシャフトだ。この複雑なメカニズムを、いかにパワーロスなく動作させるかで、スピニングリールの回転性能は違ってくる。
そのために現在のダイワスピニングリールには、リニアシャフトというテクノロジーが搭載されている。
従来はメインシャフトをピニオンの内径で直接、支持する構造だったが、このリニアシャフトは、メインシャフトをカラーで支持し、ピニオンと非接触にすることで摩擦抵抗を軽減。
高負荷時でもパワフルな巻き上げを実現している。
そのリニアシャフトの優れた構造を継承しつつ、さらに進化したのが、エアドライブシャフトなのである。
エアドライブシャフトでは、同じくメインシャフトとピニオンは非接触だが、メインシャフトを支持するカラーをより高精度化することで、従来以上に回転ノイズが排除され、滑らかで静粛な巻き心地を実現している。
これに加えてピニオンの両端をボールベアリングで支持することで、ハンドルから入力されたパワーをより効率的に、ローターの回転力へと繋げ、力強い巻き上げを可能とした。
巻き心地は、静粛で上質。なのにパワフル。エアドライブシャフトは、リールの内部で、その役割を密かに担っている。
スピニングリールにおけるギア伝達の仕組み
ハンドルを回すとドライブギアが回転し、メインシャフト上にあるピニオンはドライブギアと直交する方向に回転。
ピニオンと同調してローターが回転する。
同時にオシレートギアが回転し、メインシャフトを上下動させる。
エアドライブシャフト搭載モデル
メインシャフトをカラー((1)、(2))で支持し、ピニオンと非接触にすることで、摩擦抵抗をゼロに。この構造自体は、従来のリニアシャフトと同様だが、エアドライブシャフトでは、そのカラーをより高精度化。
これにより、滑らかで静寂な回転性能を実現するとともに、ピニオンの両端をボールベアリング((3)、(4))で支持。これにより、パワフルな巻き取り性能を可能にした。
リニアシャフト/エアドライブシャフト非搭載モデル
リニアシャフト、エアドライブシャフトのいずれも非搭載のものは、ピニオンギアの内径で直接、メインシャフトを支持しているため、摩擦抵抗が発生し、とくに高負荷時のリーリングにおいてはパワーロスが発生してしまう。
ATD TYPE-L「追従性がちがう」
魚の引きに合わせて、滑らかに効き続けるATDの特性はそのままに、スピニングリールにおけるドラグの初動レスポンスをさらに向上させたのがATD TYPE-L。
とりわけライトライン使用時に求められる、よりスムーズな使用感にこだわったチューニングを施し、ラインへの負荷をさらに低減するとともに、魚に過度なストレスを与えず、短時間でのランディングを可能とした。
※LT5000D-CXH、LT5000D、LT5000D-XH、およびSWシリーズには、カーボンワッシャー+ATDを採用。
加速度とドラグ力の関係
ドラグ曲線比較
ATDと比較すると、全体的な特性は似ているが、TYPE-Lはフッキング時など、瞬発的に引っ張られたときのドラグ値の上昇を抑えたセッティングを施している。
これにより、現代の釣り方やタックルセッティングに、よりフィットし、ライトライン使用時に瞬発的な魚の走りによるラインブレイクを減少させる。
ライントラブルの大きな原因である糸ヨレを解消するための機構がツイストバスター。
24CERTATEでは、ツイストバスターIIがさらに進化した、ツイストバスターIIIを搭載。
ラインローラー部に新たな溝を設けることで、ラインローラーを通過する糸のバタつきを抑制。
また、ラインローラー部にもマグシールドを搭載。
塩噛みや固着の影響を受けず、長期間、安定的かつ確実な回転性能を実現した。
LC-ABS(ロングキャスト-ABS)「さらに遠くへ」
キャスト時において、ラインがスプールエッジと接触することで起こる摩擦を徹底的に軽減。
スムーズなライン放出を工学的に突き詰めた2段形状のスプールエッジ。
ロングキャスト実現のため、最大の糸巻き量でベストな設計となっている。
非搭載モデル比で飛距離約5%アップ。
ストッパーレスボディ「さらに軽量・トラブルレスへ」
ストッパーを取り去ることでボディ構造をシンプルに仕上げた。
水や異物の浸入経路であるストッパーを取り去るという決断により、軽量化や防水性能のアップはもとより、24CERTATEに求められる過酷な環境下や大物とのやり取りにおいての突然のトラブルに見舞われる不運を最小限に抑える。
パーフェクトラインストッパー
EVAラウンドライトノブ(5000番サイズに搭載)
ダイワ小型スピニングの中で、最も高い剛性を誇るCERTATE。
その信頼を支える基盤が、アルミ製のフルメタル(AL)モノコックボディだ。
ドライブギアの軸を保持するエンジンプレートもまた、アルミ(AL)製。
たわみと歪みを極限まで排除し、パワフルな巻き上げと高剛性、高耐久を実現した。
MONOCOQUE BODY「軽さと強さがもたらす無限の可能性」
モノコックボディは、とてつもなくタフなボディ。
内包するギアをがっしりと支え、たわみにくく、安定した回転を生み出す源だ。
どこまでも強く。いつまでも滑らか。すべてが未来の巻き心地。
モノコックボディ
モノコックボディは、それ自体が巨大なビスの役目も担うエンジンプレートでカバーをされていて、大きな負荷を受けてもズレにくく、たわみにくい構造になっている。
また、ビス穴を必要としない分、従来構造よりもボディ内部のスペースが飛躍的に広くなり、より強力な、大径サイズのドライブギアが搭載可能だ。
従来構造
3-4点のビスでボディにボディカバーを留める構造。
ボディをたわませる力が掛った場合は、この細いビスを中心に受けることになるため、大きな負荷がかかるとボディとボディカバーにたわみが生じやすい。
また、ビス穴の分、内部スペースが狭くなり、内蔵できるドライブギアのサイズもおのずと小さくなる。
従来からあるスピニングリールのボディは、ボディとボディカバーの2つのメインパーツで構成され、それを小さなビスなどで留め合わせる構造となっている。
素材や製造技術の進化により、現在のリールは昔とは比較にならないほど性能や精度も大きく向上しているが、あくまで2つのパーツを留め合わせるという基本構造そのものは変わっていない。
この構造は、大きな負荷が掛かれば、目には見えないくらいのレベルだとはいえ、確実にパーツの合わせ目にはたわみが生じる。
その結果、内部のギアの噛み合わせなどに悪い影響を及ぼすことは否めない。
いかに強いギアを搭載していようが、ハウジングがたわんでしまえば、十分にパワーを伝達できなかったり、たわんだまま回転したりすることでギアの損耗に繋がるなど、せっかくの実力を十分に発揮させることができなくなってしまうのだ。
また、たわんだ隙間から水が浸入すれば、内部構造へのダメージにも繋がる。
その問題を克服したのが、モノコックボディである。従来は2つの部品によって構成されていたボディを、ワンピース、つまり一体成型で作り上げ、大口径高精度のエンジンプレートを直接ねじ込んで蓋をしている。
ワンピースという言葉だけでも直感的に理解できるはず。
強さ、たわみにくさは段違い。
それをエンジンプレートという、いわば従来よりもケタ違いに大きく強い「ビス」で直接蓋をしているようなものだ。
強い土台に支持された内部の機構は、当然、がっちりと噛み合い、ガタつかずに、持てる力を十全に発揮する。
合わせ目のたわみも、従来方式とは比較にならないといっていいほどで、内部の防水性も極めて高い状態に保たれる。
また、従来方式は、ボディをビス留めして組み合わせるため、ボディの内壁にビス穴が必要だった。
そのビス穴が内部スペースを圧迫するため、積めるギアサイズには限界があった。
一方、一体成型のモノコックボディにはビス穴が存在しない。
これにより広い内部スペースが確保でき、ボディサイズが同じでも、より大きなドライブギアの収納が可能となったのだ。
翻っていえば、ギアサイズが同じでも、よりコンパクトなボディで包み込むことができるということだ。
これによって得られるメリットは「軽さ」となる。
リールにおいて、軽さがもたらずメリットは計り知れない。
「キャスト時の振り抜きが速くなる」「自在なロッド操作が可能となる」「感度が向上する」「疲労感が軽減される」など実に様々だ。
そして、いざハンドルを回せば、パワフルでトルクフルな巻き心地をその手に伝えてくれるはずだ。
「軽さ」と「強さ」という、相反する効能の両立。
それこそがモノコックボディの真骨頂なのだが、そこにはさらに秘められたポテンシャルがある。
強度がアップしているということは、ターゲットによっては、従来よりひとつ下の番手でも、強度的に十分に足りる場合があるということだ。
番手がひとつ小さくなれば、当然、劇的に軽くなる。
軽量化をとことん追求したければ、そんな選択肢もある。
逆もまた然り。
今までのリールの重量に不満がないのであれば、あえてひとつ大きい番手を使って、さらなるパワーを得るという選択肢もある。
つまり、リールを選ぶ際、「強さ」を基準にするなら「軽さ」を得られるし、「重さ」を基準にするなら「強さ」が得られるのだ。
アングラーの技量やタックルバランスなどが介在してくるので、一概には言えないが、ジャンルによっては、これまでの標準的なタックルセッティングを一変させてしまうほどの可能性を、モノコックボディは秘めている。
同じ強さなら軽く。同じ重さなら強く。
モノコックボディは、単なるデザインチェンジではない。スピニングリール史に残るパラダイムシフトといっても過言ではないほどの機能進化を堪能してほしい。
モノコックボディも金属。エンジンプレートも金属。
フルメタルボディ(AL)の強さは、揺るがない。
CERTATEは初代モデルから一貫してボディ素材に高い剛性を持つ金属「アルミ(AL)」を採用している。
一体成形のモノコックボディと相まって、その強さは他の追随を許さない絶対的なものとなった。さらに、モノコックボディの蓋となるエンジンプレートもアルミ製。
つまり24CERTATEは、すべてが高剛性のアルミで構成されているフルメタルボディというわけだ。
強いギアを強いボディで守る。
だからこそ24CERTATEは、滑らかで安定した回転が永く続くのだ。
超々ジュラルミン製MC(マシンカット)タフデジギア「精緻な噛み合いが力を生み出す」
パワーがあること。滑らかな巻き心地であること。
そして丈夫で長持ちするギアであること。だからタフデジギア。
リールの中でもっとも重要なパーツであるドライブギアには、三位一体のエレメント(設計思想・加工技術・ギア素材)が不可欠となる。
24CERTATEに搭載されるのは、超々ジュラルミン製MC(マシンカット)タフデジギア。
冷間鍛造で高強度に仕上げた素材に、さらにもうひと手間、デジタル解析によって導き出された理想的な歯面に仕上げるために高精度なマシンカットを施しているのだ。
また、ドライブギアに特殊表面処理を行うことで、高負荷が掛かることによって引き起こされるギアへのダメージを低減。
さらにLT3000-XH、LT4000-CXH、LT5000D-CXH、LT5000D-XHには、SALTIGA等で実績のある高強度ピニオンを新たに採用し、万全を期した。
鉄壁の防水・耐久力は、ダイワだけの持つ唯一無二のテクノロジーだ。
防水の要となる箇所に、磁性流体を用いた機構をセットし、まさに水と油、浸入する水や砂塵を、強力にはじき返すのがマグシールド。
リールの防水・耐久テクノロジー、マグシールド。マグシールドとは、磁性を持ったオイル(マグオイル)を、回転に関わる箇所に配置することによって、内部への水の浸入を防ぐという、ダイワ独自の機構である。
従来、回転箇所の防水には、パッキン、Oリングといったゴムパーツを使用していた。
だが、回転部にゴムを密着させるということは、摩擦抵抗が生まれ、回転性能の低下に繋がる。
加えて、ゴムが変形、摩耗すれば、そこから水が漏れ入ってしまう。
それを解消しようと生まれたのがマグシールド。
オイルだから、当然、隙間なく密封して水や塩の浸入を防ぎ、また、摩擦抵抗がないため、滑らかで軽快な回転性能が永く続くのだ。
24CERTATEにおいて、マグシールドは、回転に関わる最重要箇所であるピニオン部とラインローラー部に配置される(FCモデルはピニオン部のみ)。
継ぎ目がなく水や塩の浸入経路のないモノコックボディと、ハンドルねじ込み部の新形状防水パッキンの相乗効果により、24CERTATEのボディ内部はハイレベルの防水防塵状態に保たれている。
MAGSEALED LINE ROLLER
水の影響を非常に受けやすいラインローラー部にはマグシールドを採用。
固着せず、確実に、永く動作し、糸ヨレによるライントラブルを大幅に低減する。
(※FCモデルは非搭載)
MAGSEALED
ピニオン部にあるマグシールドキャップとクラッチリング。
パーツは非接触で、この1mmもないわずかな隙間にマグオイルが充填される。
ボディ内部の防水防塵と回転の軽さを実現。
ラインローラー(FC)
(マグシールドラインローラー非搭載モデル)
ラインローラー
(ノーマル)(マグシールドラインローラー搭載モデル)
サイズ別推奨釣種一覧
24CERTATEボールベアリング搭載箇所
10BB搭載(ダブルハンドルモデルは12BB搭載)
・ピニオン部2BB(CRBB)
・ドライブギア部2BB(CRBB)
・ラインローラー部2BB(CRBB)
・ハンドルノブ部2BB(CRBB)
(ダブルハンドルモデルは2×2BB)
・メインシャフト部1BB(CRBB)
・オシレートギア部1BB(CRBB)
(※スプール部、スプールメタル部に1BBずつ追加可)
付属品
・リール袋
・スプール位置調整ワッシャー
・ワーニングカード
・ハンドルノブキャップ取り外し用ドライバー(5000番サイズのみ)
HISTORY of CERTATE
すべてのアングラーに愛着をもって、末長く使ってもらえるスピニングリール。
20年前、それまでのダイワの常識を覆す小型スピニングリールが誕生した。
REAL FOURコンセプトを掲げて世に放たれた、初代CERTATEである。
基本性能を磨き上げ、すべてのアングラーに愛着をもって、末長く使ってもらえるスピニングリールを作ることが、CERTATEの出発点だった。
20年前――。
初代CERTATEに託された想い。
既存イメージからの脱却
CERTATEの歴史を語るならば、まずは初代CERTATEとともに、ダイワが世に問いかけたREAL FOUR(リアル・フォー)コンセプトについて、語らねばならない。
それ以前のダイワの小型スピニングリールは、TOURNAMENT(トーナメント)を頂点に、バスフィッシングではT.D.(チームダイワ)シリーズが隆盛を極めていた。
持ち前の軽さと軽快な操作性は、時代とともに精細さが増すルアーフィッシングのニーズにマッチし、多大なる人気を博す。
「軽くて操作性が軽快」というイメージは、名実ともに、ダイワが長年かけて培った大切なアイデンティティなのである。
一方で、そのイメージゆえのジレンマもあった。
各々のリールは、必要十分な回転性能と巻き上げパワーを持ちながら、「質感」の部分で軽んじられる風潮もあった。
「もう少し滑らかな巻き心地が欲しい」。当時、そんな声があったのも事実だ。
今はいい。
でもこの先の未来を考えたときに、スピニングリールの在り方が問われた。
釣るだけでなく、心を満たす釣り道具として、スピニングリールに必要な性能とは……。
こうした葛藤のなかで、未来基準を求めて生まれたのがREAL FOURコンセプトであり、これを備えた最初のスピニングリールこそが、初代CERTATEだったのだ。
4つのREALとは?
REAL FOURは、スピニングリールにあるべき性能を突き詰めるための設計思想。
4つの性能とは、REAL ENGINE=「圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性」。
REAL CONTROL=「実釣での高い実績を積んできた本物の操作性」。
REAL ENDURANCE=「時間を越え、使い込んでわかる耐久性」。
そしてREAL CUSTOM=「自分の最適空間を作り上げるカスタマイズ」とされた。
この4つの性能を満たすために、初代CERTATEには、当時の最先端テクノロジーが存分に注がれた。
なかでもそれまでと一線を画したのは「圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性」と謳うREAL ENGINE。
これにより、ダイワのスピニングリールは大きく革新を遂げた。
未来のスピニングリールとして、CERTATEが誕生した瞬間だった。
設計思想の4つの性能
REAL ENGINE
圧倒的なパワー、シルキーな回転を誇る駆動性
REAL CONTROL
実釣での高い実績を積んできた本物の操作性
REAL ENDURANCE
時間を越え、使い込んでわかる耐久性
REAL CUSTOM
自分の最適空間を作り上げるカスタマイズ
基準としての矜持
CERTATEの名は、TOURNAMENTから着想を得た。
フラッグシップの血統を受け継ぎつつ、新たな時代を拓くスピニングリールの基準でありたい。
その想いから、TOURNAMENT(競技・競技者)のラテン語である「CERTATER」から転じた、CERTATE(セルテート)という名を受けた。
濁音を持たない雅で優美な響きには、技量や釣種を問わず多くの釣り人に、いつまでも飽きられずに長く愛されてほしいとの願いが込められた。
長く愛されてほしいとの想いは、デザインやカラーリングにも表れている。
あえて尖ったシャープさを抑えた流麗なボディラインや、初代の「セルテート・ブルー」に端を発する落ち着いたカラーリングは、歴代CERTATEを通じて、脈々と受け継がれている。
はたしてCERTATEは、ダイワのスピニングリールの基準となった。
この事実はなによりも、その後のダイワのスピニングリールの歴史が証明している。
CERTATEを基準として、軽さを突き詰めたLUVIASやAIRITYが存在し、CERTATEによる技術革新は、CALDIAやFREAMSなど幅広いラインナップにフィードバックされた。
そしてCERTATE自体は、このような歴史の奔流の中で、あくまでも基準としての、一貫した正統進化を遂げていったのだ。
スピニングリールの新たなる価値観。
強さと質感が、唯一無二の信頼性を育んだ。
オシレートギアへの大転換
ダイワのスピニングリール史は「CERTATE以前・以後」と分けて語られる。
初代CERTATEの登場は、それほどまでにエポックメイキングなものだったのだ。
その基幹とも言えるのが、オシレート機構の大転換である。
オシレートとは、ラインの巻かれるスプールを上下にスライドする、スピニングリールの要となる機構である。
当時、多くのスピニングリールが、シャフトに切った溝に沿ってスプール軸を上下駆動させるウォーム式を採用していた。
そもそも歴史的に、ダイワが先陣を切って開発を進めたウォーム式には、それ以前のカムを用いたギア式よりも上下動の精度が高まるという利点があった。
その一方で、内部機構が複雑化することにより、パワー伝達にロスが生じ、巻き上げ効率が下がってしまうという弱点もあった。
正確な上下動、巻き上げパワー、耐久性そして質感の獲得
CERTATEの開発にREAL ENGINEの思想を掲げたダイワは、この弱点を解決するために、改めて過去のギアオシレート方式を見直す試みを始めた。
そして試行錯誤の末に、常識を捨てた既成概念にとらわれない自由な発想による世界初の独自機構「サイレントオシレーション」が誕生した。
これにより正確なスプールの上下動と巻き上げ効率の向上という、両立を果たしたのだ。
さらに大型化したドライブギアを搭載し、歯面精度も大幅にアップ。
これらの心臓部を、頑強なアルミ製フルメタルボディで保持することで、それまでとは段違いのパワーと耐久性を手に入れた。
そのうえ、歯面精度からくる、滑らかでシルキーな巻き心地までも、実現することができたのである。
ボディの中央に鎮座する大きな円形のエンジンプレートにも秘密がある。
デザインのシンボルであることに加え、もう一つの重要な役割を秘めているのだ。
従来、精緻なギアの噛み合わせ調整は、作業者にかなりの難易度を強いていた。
これがエンジンプレート構造の採用によって、容易に行えるようになったのだ。
いくら高剛性で高精度のギアが作れたとしても、噛み合わせ調整が悪ければ、意味をなさない。
高性能リールであればこそ、最終的に性能の良し悪しを決めるのは、熟練した作業者の手による、精緻を極めた調整なのである。
目覚ましいテクノロジーの進化に加え、ギア調整のしやすさにおける飛躍的な改革を遂げたことが、CERTATEが本格志向のアングラーをも唸らせた、真の理由なのである。
タフで強く、愛着を持って長く使い込めるリールとして
アルミ製フルメタルボディ、大口径ドライブギア、ギアオシレート、エンジンプレート構造など、パワー・剛性・耐久性・質感を突き詰めた初代CERTATEは、ユーザーに、これまでとは違うものを作るというダイワの強い意志を感じさせた。
当時のフラッグシップだったTOURNAMENTや、バス用ブランドのT.D.で第一義とされた軽量路線を離れ、「強さ」を大きな持ち味の一つとしたCERTATEはまず、リールをタフに酷使するコアアングラーに選ばれた。
同時に、それまでダイワのスピニングリールにはなかった、シルキーでしっとりした質感溢れる巻き心地が、多くの幅広いアングラーの心に響いていく。
人を選ばないシンプルで流麗なデザインや落ち着いた「セルテート・ブルー」も、好意的に受け入れられた。
CERTATEは唯一無二の存在となり、強さと質感をベースとした、小型スピニングリールの新しい価値観を創り出した。
年月を重ね、長く使い続けるアングラーが増えるにつれて、CERTATEが創った新たなる価値観は、より一層、広く深く醸成されていく。
スピニングリールの未来基準として誕生したCERTATEは、「タフで強く、愛着を持って長く使い込めるリール」としての信頼性を、確立していったのだ。
歴代CERTATE 20年間の軌跡
2004年に初代CERTATEが誕生してから20年、CERTATEは一貫して「剛」と「快」、つまり剛性と快適な操作性を突き詰め、改革を遂げてきた。
それは同時に、初代CERTATEとともに掲げられたREAL FOURコンセプトのたどる、さらなる進化の軌跡とも言えるのだ。
2004
04CERTATE
REAL FOURコンセプトを掲げ、数多くの最先端テクノロジーが注がれ、誕生した初代CERTATE。
軽量スピニングリールが隆盛を極めた時代、フルメタル(AL)ボディの剛性からくる安心で高級な質感と、滑らかでシルキーな巻き心地は、多くのアングラーに驚きと感動を与えた。
流麗なフォルムにシンボリックなエンジンプレートが光るデザイン、そして後に「セルテート・ブルー」と呼ばれる落ち着いたカラーリングも、独創性の象徴となる。質実剛健のたたずまいは、年を追うごとに「愛着を持って長く使い込めるリール」として、支持層を拡大する。
その後、6年間もの間、モデルチェンジせずに愛され続けた異例のロングセラーは、ダイワスピニングリールの未来形を築き上げていったのだ。
2005
FINESSE CUSTOM
初代CERTATEの性能をそのままに、ライトラインの使用に特化させたシャロースプール搭載のフィネスカスタムモデル。
2004と2506の2機種がラインナップ。
エアスプールの採用などにより、オリジナルよりも2000番で10g、2500番で15gの軽量化を果たし、滑り出しに優れたライトライン専用の「フィネストーナメントドラグ」を搭載するなど、随所にカスタマイズが施された。
3-4lbラインを用いるバスのフィネスフィッシングに加え、当時、人気急上昇中だったエギングや、ライトソルトゲームにベストマッチする一台として注目された。
HD CUSTOM
CERTATEのタフさを、より際立たせた、ソルトアングラー待望のヘビーデューティーカスタムモデル。
3500番のPE対応スプールを搭載し、ドラグの剛性もアップ。
さらに65mmのマシンカットハンドルに、RCSパワーライトノブを標準装備。
シイラやカツオのキャスティングゲームや、60-80g前後のジグを用いたショアジギング、さらに船からのライトジギングまで、一台で対応できる汎用性の高さを備える。
ハイパワーな小型スピニングリールの代名詞として、絶大なる人気を博した。
2006
R-CUSTOM
2500番のスプールとローターに、3000番のボディを融合。
軽快な操作性に、オリジナルの3000番をも凌駕する巻き上げパワーを備えたスペシャルパワーチューンモデル。
初代CERTATE発売の初年度にカスタムモデルとして限定発売され、太めのナイロンラインやPEを用いビッグフィッシュに挑むランカーハンターの間で人気を集めた。
熱望の声を受け、2006年に復活を遂げた。
2007
HYPER CUSTOM
大型スピニングリールのフラッグシップであるSALTIGA-Zの心臓部だった高強度特殊合金マシンカットデジギアが、高精度小型化に成功したことを契機に「ハイパーデジギア」と名を変えた。
これを搭載した2500番以上のCERTATEが、新たにHYPER CUSTOMと名を変えて、世に放たれた。
激しいジャークを多用するエギングや、シーバス、さらにショアジギングやライトジギングなどのパワーゲームにも対応する、さらに強いセルテートとして、アングラーの心を鷲づかみした。
現在、ハイパーデジギアの血脈は、タフデジギアとしてCERTATEの心臓部を支えている。
CUSTOMシリーズ
2004年の初代CERTATE発売以降、FINESSE CUSTOM、HD CUSTOM、R-CUSTOMなどアングラーに寄り添ったカスタムモデルをリリースしてきた。
そのREAL CUSTOMの思想は、2011年に発足したカスタムサービスブランドのSLP WORKSとして、さらなる展開を確立している。
2010
10CERTATE
6年間もの長き年月を経て、初のフルモデルチェンジを果たしたのが、この10CERTATE。
なんと言っても最大のトピックは、すべてのリールに先駆けて初搭載されたマグシールドだ。
磁性流体を活用した画期的防水・防塵構造が、脅威の耐久性と初期性能の持続を実現。
これにより、REAL FOURコンセプトの一つである、耐久性を担うREAL ENDURANCEは、時代を飛び越えて革新的な進化を果たす。
CERTATEの持ち味である、パワフルでありながら軽くシルキーな回転の初期性能が、極めて長い間持続する夢のような技術革新が実現した。
また、ローターも改革を遂げた。
最適リム構造により強さを維持したまま大胆な軽量化を果たしたエアローターは、マグシールドとともに、スピニングリールの新たな扉を開いたのだ。
操作性の革新的な向上に合わせ、1000番の小型モデルもラインナップ。
翌2011年には、ギア比5.8のハイギアカスタムモデルも追加されている。
MAG SEALED
マグシールドだけに許された、時代すら乗り越える耐久性。
2013
13CERTATE
ラインローラーはスピニングリールの中で最も水に晒されている回転パーツ。
特に海水使用時に塩分が固着し回転性を損なう「塩がみ」は、スピニングリールの耐久性を損ねる弱点とされてきた。
13CERTATEは、ラインローラーにマグシールドを施すことで、この悩みを過去のものとし、革新的な高耐久を獲得した。
さらにはエアローターの素材として、軽量で高剛性のカーボン含有樹脂「ZAION」を採用。2500番で10gもの軽量化を果たしつつ、巻き出しの軽さと、軽快な操作性を手に入れた。
そのうえ、ZAIONによるローターユニットの剛性アップは、フルメタル(AL)ボディとの相乗効果によって、CERTATEが積み重ねてきた強さへの信頼を、なお一層、確かなものとしたのだ。
2016
16CERATE
新開発のマグシールドボールベアリングをドライブギア両端に装備。
ピニオン部、ラインローラー部に加え、鉄壁の防水性と耐久性を獲得した16CERTATE。
ローターユニットは、新形状で生まれ変わった超軽量エアローターの開発により、10%以上の軽量化を実現。
ローターの大幅な低慣性化による回転性能の向上は、回転初動を10%以上も軽くし、巻き感度もアップさせた。
また、全サイズに次世代ドラグのATDを搭載。
そしてなによりも特筆すべきは、10CERTATEから姿を消していた、3500番以上のヘビーデューティー(HD)モデルのリバイバルだった。これこそが、一世を風靡して強さの代名詞となったモノコックボディの、記念すべき初搭載モデルだったのだ。
※写真はイメージです。
2019
19CERATE
PEライン全盛の時代に合わせ、またタックル全体の軽量化にともない、ダイワのスピニングリールには、新たなコンセプトが掲げられた。
軽さと強さを両立する、LT(ライト&タフ)コンセプトである。
LTコンセプトに基づき設計された19CERTATEにとって、全モデルへのモノコックボディ搭載は必然だった。
一体成型のワンピース構造が、従来の2ピース構造の宿命だった、たわみや歪みを限りなく抑制。
さらに、CERTATEが初代から一貫してこだわる高剛性のアルミ合金(AL)を、ボディとエンジンプレートに採用し、フルメタルで固めることで、剛性と耐久性、そして巻き上げ効率の飛躍的な向上を果たした。
LTコンセプトで追求した「タフ」は、同時に初代CERTATEのREAL FOURコンセプトにおけるREAL ENGINEやREAL ENDURANCEの正統進化でもあったのである。
また、忘れてはならないのは、モノコックボディがLTコンセプトの「ライト」、つまり軽量化にも大きく貢献したことだ。
新旧の2500番で比較すると、実に35gという驚きの軽量化を果たしているのである。
モノコックボディだから実現できた必然のパワーとシルキーな駆動性。
そして20年ー。
誕生、NEW CERTATE。
2024
24CERTATE
20年の歴史を通して、強さと快適な操作性を一貫して追求してきたCERTATE。
初代で掲げられたREAL FOURコンセプトは過去のものだが、歴史を振り返れば、脈々とダイワのスピニングリールの設計思想として、昇華し続けていることがわかる。
マグシールドでREAL ENDURANCEが、モノコックボディでREAL ENGINEが、革新的に進化した。
REAL CUSTOMの思想は、2011年に発足したカスタムサービスブランドのSLP WORKSとして、さらなる展開を確立している。
そして、CERTATEがさらなる未来へ進むための最後のピースがREAL CONTROL。
そう、20年という節目にCERTATEが果たした革新的な進化こそ、REAL CONTROLの思想を受け継いだ、エアドライブデザインの搭載なのである。
AIRDRAIVE DESIGN
エアドライブデザインが切り拓く、未体験の快適な操作性。
Featuring Points 01
24CERTATE
ダイワが誇る最新テクノロジー、エアドライブデザイン搭載。
LTそしてREAL FOURの正統進化が、快適な操作性を実現。
次世代スピニングリールの設計思想である「エアドライブデザイン」。
フロントユニットに、この最先端テクノロジーを実装した24CERTATEは、パワーと剛性を最大限に活かした快適な操作性を手に入れた。
この画期的な進化は、CERTATEの歴史にとって、二つの大きな意味を持つ。
一つはモノコックボディとともに到達した、LTコンセプトの集大成として。
もう一つは、初代CERTATEから脈々と流れるREAL FOURコンセプトの、最後のワンピースであったREAL CONTROLの、革新的な進化という点で――。
24CERTATEは、エアドライブデザインによって、20年目の正統進化を果たしたのだ。
Featuring Points 02
24CERTATE
強さの象徴、フルメタル(AL)モノコックボディ。
パワー・剛性・耐久性への追求は止まらない。
アルミ製フルメタルモノコックボディに象徴される、他を圧倒する強さこそ、CERTATEが長年、幅広いアングラーから信頼を得てきたアイデンティティ。
どこまでも強く、タフでありたいという願いは、24CERTATEをさらに強くした。
ドライブギアの硬度を高める特殊表面処理、ハンドルねじ込み部の防水強化、さらに一部高番手のドラグやピニオンには、SALTIGA同等の強化仕様を施した。
すべては、末長く使い込めるタフなスピニングリールであるために。
質実剛健こそが、ターゲットを問わずに幅広く使われてきた、信頼の証なのだ。
Technology
築き上げた信頼の証。
高い剛性と快適な操作性を両立する最先端テクノロジー。
CERTATEが築き上げてきた、幅広いアングラーからの揺るぎない信頼。
それは、最先端テクノロジーを積極的に取り入れ磨きをかけた「剛性」と「快適な操作性」のハイレベルな両立なくして、得ることはできない。
高耐久・高剛性・パワフルな巻き上げを実現したBODY UNIT、軽量化・低慣性化・重量バランスの最適化を果たしたFRONT UNIT。
これらテクノロジーの進化と融合こそが、新たなる信頼の架け橋となる。
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